インサイドセールスの架電数の決め方|稼働時間から計算する現実的な目標

インサイドセールスの架電数を決めるときは、受注目標から必要な活動量を逆算するだけでなく、その件数を稼働時間内で実行できるかを確認します。不通と会話ができた電話では、準備・通話・記録にかかる時間が異なります。
「架電に使える時間 ÷ 1回あたりの総作業時間」で実行可能な回数を試算し、商談目標から求めた必要量と照合します。一律に1日何件と決めず、自社の対象・接続状況・担当業務の実測値を使います。
架電回数・企業数・有効会話を分ける
架電数は発信した回数として定義し、同じ会社への再架電も回数に含めます。一方、何社に接触を試みたか、有効な会話が何件あったかは別に集計します。1社へ3回かけた場合、架電は3回、対象企業は1社です。
| 指標 | 数え方の例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 架電回数 | 発信1回を1件。誤操作などの除外条件を固定 | 実行した作業量 |
| 対象企業数 | 同じ企業IDは同期間に1社 | 対象が広がっているか |
| 担当者接続数 | 目的の担当者と会話できた回数 | 対象情報や時間帯の適合 |
| 有効会話数 | 事前に定めた確認事項を聞けた会話 | 次の行動に使える情報の量 |
受付との会話を「担当者接続」に含めるかで数値が変わります。担当者接続と受付対応を分け、日報の定義を統一してください。
1回の作業時間を三つに分けて測る
架電前の履歴確認、発信から終了まで、終了後の記録・次回設定を測ります。電話システムの通話時間だけを使うと、前後の作業が計算から落ちます。
| 区間 | 含めること | 記録上の注意 |
|---|---|---|
| 準備 | 会社・相手・履歴・停止情報の確認 | 一覧をまとめて整理した時間は別枠にする |
| 発信〜終了 | 呼び出し、不在確認、受付、担当者との会話 | 通話ツールがどこから測っているかを確認 |
| 後処理 | 会話記録、資料送付、次回予定の作成 | まとめて処理する場合は重複して計上しない |
HubSpotにも通話時間と通話結果の項目がありますが、通話時間の単位はミリ秒とされています。公式のアクティビティープロパティーを参照し、出力データの単位を確認します。通話の記録とは別に、準備・後処理の時間を測ると実態に近づきます。
まず通常稼働の数日分を、接続・不通・受付対応などに分けて記録します。これは計測の始め方の例です。少ない件数で平均を固定せず、曜日やリストが変われば再測定します。
稼働時間から架電数を計算する例
以下は計算説明のための仮定です。業界平均や推奨架電数ではありません。1日の実働時間を420分とし、会議・リスト整備・問い合わせ対応などに150分、突発対応の余白に30分を確保すると、架電関連に使える時間は240分です。休憩はこの実働時間に含めていません。
| 結果 | 構成比の仮定 | 準備・発信・後処理の合計 |
|---|---|---|
| 不通 | 70% | 2分 |
| 受付対応で終了 | 20% | 4分 |
| 担当者と会話 | 10% | 12分 |
加重平均=2分×70%+4分×20%+12分×10%=3.4分/回
実行可能な回数の試算=240分÷3.4分=約70回/日(端数切り捨て)
担当者と会話できる割合が20%に上がり、不通が60%になった場合は、平均が4.4分となり、同じ240分でも約54回です。架電数が減っても、会話が増えた結果なら悪化とは限りません。
表の時間には1件ごとの後処理を含めています。共通作業の150分にも同じ記録時間を入れると二重計上になるため、日報の時間分類を合わせてください。
日報は「回数」と「使った時間」を対で残す
| 項目 | 記入例・用途 |
|---|---|
| 日付・担当・対象群 | 10月16日/担当A/資料請求後。架空例 |
| 架電関連時間 | 240分。準備・発信・後処理の合計 |
| 結果別の回数 | 不通/受付/担当者会話に分け、合計を照合 |
| 企業数・有効会話数 | 再架電の増加と、有効な接点の増加を分ける |
| 後処理の未完了 | 未送付資料・未入力履歴・未設定の次回予定 |
| 想定外の作業 | 問合せ増加、障害、臨時会議などの理由と時間 |
架電が終わった時点ではなく、必要な記録や約束した対応まで済んだ状態で所要時間を見ます。未処理を翌日に積み残して回数だけ増やすと、見かけ上の生産性が高くなってしまいます。
目標が実行可能な量を超えたら何を変えるか
仮に必要架電数が100回、実行可能な試算が70回なら、差の30回を気合いで埋める目標にしません。必要量を計算した率の妥当性と、担当者の時間配分の両方を見直します。
| 見つかったこと | 先に行うこと |
|---|---|
| 履歴を探す時間が長い | 記録場所と対象リストのIDを統一する |
| 同じ対象へ重複発信している | 担当割り当てと最新履歴の確認を直す |
| 問い合わせ対応が想定以上 | 新規架電と反響対応の担当・時間を分ける |
| 接続が増えて長く話せている | 会話品質を確認し、件数目標を調整する |
| 必要量と体制に継続的な差がある | 対象範囲、実施期間、社内分担、外部支援を再検討する |
商談数の逆算はインサイドセールスのKPI設計で整理できます。そこで求めた必要量と、このページの時間計算を並べると、成果目標と人員計画を同じ前提で議論できます。
参考資料:HubSpot:標準アクティビティープロパティー(2026年10月16日確認)。本記事の記入例・数値は説明用の仮定であり、顧客事例や成果保証ではありません。運用手順は自社の条件に合わせて調整してください。
LIBERAL HEARTS / SALES SUPPORT
架電数と対応品質の両方を見直す。
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