営業戦略とは?
立て方を7ステップで解説|
実行計画・KPIまで整理

営業戦略とは、限られた人員・時間・予算を、どの顧客と勝ち筋へ集中させるかを決める方針です。売上目標だけを掲げたり、架電数を決めたりすることとは異なります。
実行できる営業戦略には、目標・対象顧客・提供価値・営業プロセス・KPI・担当・見直し条件が含まれます。本記事では、BtoB企業が営業戦略を立案し、現場で運用できる計画へ落とすまでを7ステップで整理します。
「誰に、なぜ選ばれ、どの経路と工程で受注し、何を見て改善するか」を決めるのが営業戦略です。目標から必要商談数と活動量を逆算し、最初は対象を絞って検証します。
営業戦略とは、選択と集中の方針
売上を増やす方法は一つではありません。新規顧客を増やす、既存顧客の単価を上げる、解約を減らす、商談からの受注率を高めるなど、改善する場所によって必要な活動が変わります。営業戦略では、現在の制約を踏まえて優先する成長経路を決めます。
| 階層 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 営業戦略 | どこで、誰に、どの価値で勝つか | 特定業界の中堅企業へ、導入負担の低さを訴求 |
| 営業計画 | 期限、予算、担当、目標値 | 90日で重点100社を検証 |
| 営業戦術 | 接触方法と具体的な施策 | 電話、メール、展示会、CXOレター |
| 日々の活動 | 今日行う行動 | 優先20社へ接触し、結果を記録 |
戦略がないまま戦術を増やすと、各施策の対象とメッセージがばらつきます。反対に、戦略だけを資料にまとめても、担当・期限・数値がなければ実行されません。両者をつなぐ営業計画が必要です。
立案前に集める5種類の情報
- 経営目標:売上、粗利、事業の優先順位、達成期限
- 顧客情報:受注企業の共通点、課題、選定理由、利用状況
- 失注情報:競合、予算、時期、権限、商品上の理由
- 営業数値:リード、接触、商談、提案、受注の件数と率
- 制約条件:人員、予算、対応地域、商談可能数、供給能力
顧客情報は、売上の大きい企業だけでなく、受注までの期間、継続性、対応工数も見ます。受注しやすくても提供負荷が高すぎる顧客を重点対象にすると、売上が増えても利益や品質が悪化する可能性があります。
市場・競合・自社を整理する方法は営業戦略のフレームワークで詳しく解説しています。
営業戦略を立てる7ステップ
売上・粗利・受注数と期限を決める。
顧客、競合、自社、営業数値を確認。
母数・転換率・単価・継続のどこかを選ぶ。
優先顧客と対象外条件を明文化。
顧客課題と選ばれる理由を一文にする。
接点から受注までの役割と条件を定義。
KPI、会議、変更条件、責任者を決める。
重要なのは、分析から施策を直接決めないことです。「市場が伸びているから電話を増やす」では、対象も価値も明確になりません。目標と現状の差を分解し、解く課題を一つ選んでから施策へ進みます。
対象顧客と提供価値を一対で決める
対象顧客は「IT業界」「従業員100名以上」だけでは広すぎる場合があります。業界・規模に加え、事業課題、変化の兆候、既存の運用、意思決定者まで具体化します。
| 観点 | 確認する内容 | 対象外の例 |
|---|---|---|
| 企業属性 | 業界、規模、地域、事業モデル | 提供地域外、必要機能が合わない |
| 課題・兆候 | 採用、拠点拡大、制度変更、ツール刷新 | 課題がなく、変化も予定していない |
| 購買条件 | 予算、権限、導入時期、関係部署 | 予算化の可能性がない |
| 自社適合 | 解決実績、利益、提供体制、継続性 | 個別対応が大きく採算が合わない |
提供価値は、機能の一覧ではなく「顧客のどの状態を、どう変えられるか」で表します。例えば「営業代行ができる」ではなく、「採用を待たずに営業検証を始め、商談結果まで見ながら対象と訴求を改善できる」とすると、顧客が得る変化が明確になります。
顧客の検討に合わせて営業プロセスを設計する
各段階で「次へ進んだ状態」を定義します。例えば商談化をカレンダー登録だけで数えるのか、課題と時期を確認した有効商談だけで数えるのかによって、数値の意味は大きく変わります。
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスを分業する場合は、引き渡し条件と結果を返す期限も決めます。前工程だけを最適化せず、受注・失注理由まで戻せる設計にしてください。
売上目標からKPIを逆算する
KPIは、目標達成に必要な工程を数値で確認するために使います。以下は計算方法を示す仮定例であり、標準値や成果保証ではありません。
新規売上目標1,000万円 ÷ 平均受注額100万円 = 10件
必要受注10件 ÷ 提案受注率20% = 50件
必要提案50件 ÷ 商談提案化率50% = 100件
必要商談100件 ÷ 会話商談化率25% = 400件
率は全体平均だけでなく、対象業界、流入経路、新規・既存、担当者などで分けます。数字が低い工程を見つけたら、対象、会話、提案、フォローの順に原因を確認します。具体的な指標は営業代行のKPI設計も参考にしてください。
最初の90日間は小さく検証する
戦略を共有するときは選ばない対象も明確にする
優先する業界や顧客像を決めるだけでなく、今期は追わない企業や案件も共有します。営業担当者が目の前の依頼をすべて追う状態を避けることで、限られた活動時間を優先顧客に集中できます。
戦略を見直す会議では、売上の達成状況だけでなく、想定した顧客課題が実際にあったかを確認します。反応が異なる場合は、活動量を増やす前に、顧客像と訴求の前提を点検してください。
目標、対象、価値、除外条件を合意
リスト、会話、記録、役割を整備
対象を絞り、工程別の数値を確認
継続・修正・中止と拡張条件を決定
検証期間中に対象、訴求、接触方法を同時に大きく変えると、何が結果に影響したか判断できません。一度に変える主要項目を絞り、変更前後の条件を記録します。
営業戦略でよくある失敗
誰にでも通じる表現となり、優先順位が付けられません。
電話や広告の実施が目的になり、課題との関係が曖昧です。
成果が出なくても続けるか、短期間で全て変えてしまいます。
よくある質問
営業戦略は誰が作るべきですか?
事業目標と予算を判断できる責任者が主導し、現場担当、マーケティング、提供部門の情報を集めます。作成を外部へ任せる場合も、優先順位の最終判断は社内で行います。
営業戦略はどのくらいの頻度で見直しますか?
日々の活動は週次、施策と対象は月次または四半期、事業環境を含む戦略全体は半期・年次など階層を分けます。急な制度変更や商品の変更があれば、定例を待たずに見直します。
小規模な会社にも営業戦略は必要ですか?
必要です。人員が少ないほど、全ての顧客や施策へ同時に対応できないため、対象と行わないことを明確にする効果があります。
十分な営業データがない場合はどうしますか?
仮説として対象と価値を定め、少数の顧客ヒアリングと小規模な営業活動でデータを集めます。推測を事実として扱わず、何を確認する検証かを記録してください。
参考:HubSpot「営業計画の立て方」、Salesforce「営業のKPIとは」、U.S. Small Business Administration「Market research and competitive analysis」(2026年10月3日確認)。数値例は計算方法を説明するための仮定です。
LIBERAL HEARTS / SALES STRATEGY
戦略を、現場で動く
営業の仕組みへ。
目標・対象・提供価値・KPIを整理し、営業活動の実行と改善まで必要な範囲をご支援します。
営業戦略を無料相談