インサイドセールスの
トークスクリプト作成方法|
場面別の例文と改善ポイント

インサイドセールスのトークスクリプトは、担当者全員が同じ文章を読むための台本ではありません。相手の状況を確認し、会話に応じて次の質問や提案を選べるようにするガイドです。
成果につながるスクリプトは、接触理由・仮説・質問・次の行動が一続きになっています。完成版を一度作って終わりにせず、会話記録と商談結果から更新します。
①名乗る、②連絡理由を伝える、③短い仮説を置く、④開かれた質問で確かめる、⑤内容を要約する、⑥相手に価値のある次の行動を提案する、の6段階で設計します。
トークスクリプトの役割
名乗り、確認すべき項目、誤解を招く表現、記録内容を共通化します。
相手の回答を聞かず、順番どおりに読み上げると会話が成立しません。
スクリプトには、言うことだけでなく「相手がこう答えたら、何を確認するか」という分岐を入れます。担当者が自分の言葉で話せる余白を残しながら、重要な確認漏れを防ぐ設計が適切です。
作成前に整理する5項目
- 対象:業界、企業規模、部署、役職、流入経路
- 接点:問い合わせ、資料請求、展示会、過去商談、新規開拓
- 仮説:相手が抱えている可能性がある課題と根拠
- 成果地点:情報確認、次回連絡、商談、担当者紹介のどこまでか
- 禁止事項:断定できない実績、過剰な約束、確認前の個人情報利用
流入経路が違う相手へ同じ冒頭を使わないことが重要です。資料請求者には「何を知りたかったか」、展示会来場者には「どの説明に関心があったか」、新規開拓先には「なぜ今その企業へ連絡したか」を起点にします。
基本構成と話す内容
- 01
名乗り・相手確認
会社名、氏名、担当者名を簡潔に確認 - 02
連絡理由
過去接点や公開情報など、電話した理由 - 03
時間の確認
今、短く要件を伝えてよいか確認 - 04
課題仮説
断定せず、確認したい仮説を一つ提示 - 05
質問・深掘り
現状、影響、対応、時期を順に確認 - 06
要約
聞いた内容と認識が合っているか確認 - 07
次の行動
商談、資料、再連絡など相手に合う提案 - 08
記録
事実、仮説、次回時期を分けて保存
SDR|資料請求後のトーク例
冒頭
お世話になっております。株式会社〇〇の△△と申します。先ほど弊社の「インサイドセールス立ち上げ資料」をダウンロードいただき、ありがとうございます。1〜2分ほど、資料を探された背景だけ伺ってもよろしいでしょうか。
課題の確認
現在は、問い合わせ後のフォローと新規開拓のどちらに、より課題を感じていらっしゃいますか。
その状態によって、資料の中で優先してご覧いただく箇所が変わるため確認しました。
次の行動
お話を伺うと、まずは資料請求後の対応速度と、商談として引き渡す条件を整理するのがよさそうです。30分ほどで現在の流れを確認し、優先して直す箇所を一緒に整理することはお役に立ちそうでしょうか。
資料請求者がすぐに商談を希望しているとは限りません。「資料を見ましたか」と確認するだけでなく、何を調べていたかを聞き、情報収集段階なら無理に日程を求めず、次回連絡の条件を決めます。詳しくは資料請求から商談につながらない原因もご覧ください。
BDR|新規開拓のトーク例
受付・担当者確認
株式会社〇〇の△△と申します。営業企画を担当されている方へ、法人営業の新規開拓体制について確認したくお電話しました。ご担当部署へおつなぎいただくことは可能でしょうか。
担当者への冒頭
突然のお電話失礼いたします。貴社が〇〇領域の法人向けサービスを拡大されている公開情報を拝見し、新規商談をつくる実行体制についてお役に立てる可能性があると考えました。今、1分ほど要点をお伝えしてもよろしいでしょうか。
仮説と質問
事業拡大時には、商談担当が新規のリスト作成や初回接触まで兼任し、提案時間が不足するケースがあります。現在、新しい見込み客との接点づくりは、どの部署が担っていらっしゃいますか。
公開情報は接触理由として使えますが、そこから推測した課題を事実のように断定しないでください。「〜ではないでしょうか」より、「同様の企業では〜が起きることがあります。現在はいかがですか」と確認する方が、誠実で会話を進めやすくなります。
よくある断りへの対応例
| 相手の回答 | 避けたい返し | 確認する返し方 |
|---|---|---|
| 今は忙しい | 少しだけなので聞いてください | 承知しました。改める場合、〇月以降と来期ではどちらが近いでしょうか。 |
| 資料を送って | 資料だけでは分からないので商談を | 承知しました。どの点が分かる資料だと判断しやすいでしょうか。 |
| 間に合っている | 弊社ならもっと成果が出ます | 現在の体制で足りているのですね。今後見直すとすれば、どんな変化があった時でしょうか。 |
| 予算がない | まず話だけでも | ありがとうございます。予算化の時期と、検討時に必要な情報だけ伺ってもよいでしょうか。 |
| 他社を利用中 | 乗り換えませんか | 承知しました。現在の支援範囲で、追加したい業務はありますか。 |
| 担当ではない | 誰が担当ですか | 失礼しました。新規営業の体制を検討される部署名だけ教えていただけますか。 |
断りを覆すことが目的ではありません。理由を一段だけ確認し、今後の対象判定や再連絡時期を明確にします。連絡不要の意思が示された場合は、継続接触を止めて記録してください。
会話後に記録する項目
| 項目 | 記録例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 接触結果 | 本人接続、受付、不通、返信 | 自由記述だけにしない |
| 相手が話した事実 | 担当人数、開始時期、現在の方法 | 担当者の推測と分ける |
| 課題・影響 | 対応漏れ、商談不足、提案時間不足 | 相手の言葉を要約する |
| 検討条件 | 予算時期、決裁者、比較条件 | 未確認を空欄のままにする |
| 次回行動 | 資料送付、〇月再連絡、商談 | 担当者と期限まで決める |
記録項目は、インサイドセールスのKPIとつながる形にします。後から集計できなければ、どの会話が商談や受注につながったかを検証できません。
スクリプトを改善する手順
外注先の会話を確認する際は、話し方の印象だけでなく、質問・事実確認・次の行動の合意を同じ基準で見ます。インサイドセールス外注の通話品質評価表で、評価項目と担当者間の基準合わせを確認できます。
担当者の習熟度に合わせて運用する
スクリプトを共有する際は、読む文面だけでなく、質問の目的と聞き取る情報を説明します。経験が浅い担当者には基本の流れを用意し、慣れてきたら相手の反応に応じて質問を変えられるようにします。
断りへの切り返しは、会話を長引かせるためではなく、対象外なのか、時期が合わないのか、説明が足りないのかを確認するために使います。対応例は実際の会話から更新し、不要な追客を続けない基準も共有してください。
- 会話を分類する:接触できない、冒頭で終了、課題を確認、商談設定などに分けます。
- 該当箇所を特定する:どの質問・説明の前後で会話が止まったか確認します。
- 一つだけ変更する:冒頭、質問、事例、次の提案を同時に変えません。
- 一定件数で比較する:担当者や対象の偏りを確認しながら旧版と比べます。
- 商談後まで見る:アポイント数だけでなく、実施・受け入れ・提案化を確認します。
商材に合わせたトーク設計から実行・改善まで対応します。
インサイドセールスを相談するよくある質問
トークスクリプトはどのくらい細かく作りますか?
冒頭、必須質問、主な分岐、次の行動、禁止表現までを基本にします。一言一句を固定せず、会話の目的と確認漏れを防げる粒度にします。
担当者ごとに話し方が違っても問題ありませんか?
表現は違って構いません。ただし、事実関係、必須確認項目、成果条件、記録項目は共通にします。個人の工夫で成果が出た場合はチームの標準へ反映します。
AIでスクリプトを作成できますか?
たたき台の作成には利用できますが、商材の事実、実績表現、法令・社内ルール、顧客情報を人が確認する必要があります。実際の会話結果で更新する工程も欠かせません。
スクリプトだけ代行会社へ依頼できますか?
設計支援に対応する会社があります。成果地点、対象リスト、既存の会話記録、失注理由を共有し、納品後のロールプレイや改訂範囲まで確認してください。
参考:HubSpot「インサイドセールスのトークスクリプト」、HubSpot「電話営業のコツ」、HubSpot「営業向けプレイブック」(2026年10月3日確認)。例文は特定の成果を保証するものではなく、実際の商材・関係性に合わせて調整してください。
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